サプリメントは飲めば飲むほど体にいい?
サプリメントは体にいい?
こんにちは。
今回は管理栄養士の立場からサプリメントについて書いていきたいと思います。
現在、美容や健康維持のために健康食品やサプリメントを使っている人はとても多いですね。健康に対する意識を高くもつことは素晴らしいと思います。しかし、自己判断でサプリメントを使うのは大変危険です。正しい知識を身につけて上手に活用するようにしましょう!
結論
サプリメントを飲むほど美容や健康に良い、サプリメントをできる限り使った方が良いというのは間違った考えです。人間は昔から食事・運動・睡眠で健康を維持しています。人が1日に必要な栄養素の量は決まっています。バランスよく食事を摂っていれば通常栄養素が不足することはあまりありません。つまり、この3つの軸を大切に毎日を過ごすことが健康への近道です。
supplement(サプリメント)は”補う”という意味を持っています。つまり、サプリメントは普段の生活で不足してしまう栄養素を補うものです。したがって食事代わりに摂取することはあまり推奨されていません。病院に行くほどでもないがなんとなく体調がすぐれないときや忙しいとき、妊娠中やスポーツで栄養素が不足しているとき(医師、薬剤師、管理栄養士と要相談)に正しく使いましょう。
目次
サプリメントとは
まず、サプリメントは医薬品ではなく食品に分類されています。つまり、医薬品のように病気を治療する効果はありません。しかしながら食品であるからといってたくさん摂取しても害がないというわけではありません。あくまで食事の補助という形で使うようにしましょう。
また、サプリメントを購入する際には以下の点に注意しましょう
成分表示・含有量:
サプリメントを選ぶ際、有効な成分に目が行きがちですが、きちんと成分表を確認 し、どんな成分が入っているか確認するようにしましょう。また、成分の量の表示がな い製品は有効性や安全性に保障がない製品です。成分の含有量も確認してサプリメントを購入するようにしましょう。
製造業者や販売者の名前・問い合わせ先:
食品表示法により、販売責任者の名称は明記することが義務付けられています。購入後のトラブルを防ぐためにも問い合わせ先も含めきちんと確認するようにしましょう。
複数のサプリメントの使用で過剰摂取の危険
サプリメントはその製品1つ1つについては成分量の調整がされていたとしても、複数のサプリメントを同時併用することで過剰摂取に繋がることがあります。また、サプリメント同士の組み合わせや、食事や薬との組み合わせにより体調が悪くなった際、体調を崩した原因が何かを特定することが難しくなってしまいます。
日本人の1日に必要な推定栄養素量は食事摂取基準により定められています。通常、十分なエネルギーを摂取しバランスのとれた食生活を送っていれば栄養素が不足することはほとんどありません。したがって、あえてサプリメントを摂取する必要はないのです。サプリメントは美容や健康にとって魅力的な文言で宣伝をしていることが多いと思います。また、憧れの有名人やインフルエンサーが宣伝する健康食品・サプリメントに魅力を感じてしまうことがありますよね。健康になりたい!美しくなりたい!と思う気持ちは素晴らしいと思いますが、安易な気持ちでサプリメントを使うのはよくありません。
医薬品との飲み合わせ
薬を飲んでいる方はサプリメントの摂取には十分注意してください。サプリメントの成分によっては薬の効果が弱くなったり、副作用が強くなってしまったりすることがあります。また、薬の成分とサプリメントの成分に共通するものが含まれる場合、過剰摂取で体調を崩してしまいます。これらの事例は数多く報告されているため、どうしてもサプリメントを使うのであれば医師・薬剤師に相談しましょう。
酸化マグネシウム便秘薬×青汁⇒マグネシウムの過剰摂取(腹痛、下痢等)
”天然”・”自然”の落とし穴
サプリメントや健康食品には、天然や自然由来と記載して販売しているものがあります。天然・自然由来のものと聞くと安全なものだ!と思う方も多いかもしれませんが、必ずしも安全であるというわけではありません。有害物質や不純物が除去しきれていない可能性や明らかになっていない成分が含まれてしまっている可能性があります。また、様々な成分が含まれていたり成分が凝縮されていたりするためアレルギーを発症してしまう可能性もあります。広告や製品の文言に惑わされず、原材料を確認するようにしましょう。
まとめ
サプリメントの良い評価だけを鵜呑みにせず、きちんと自分でその製品を確認して購入するようにしましょう。また、基本的にはバランスの良い食事をこころがけ、睡眠・運動にも気を付けながらサプリメントに頼りすぎない生活を営むことが重要です。